1995年6月25日
J.K.F.フイツシヤー (1670年頃−1746)
 パッサカリア ニ短調

J.S.バッハ (1685−1750)
 フランス組曲弟4番変ホ長調 BWV815
アルマンド
コレンテ
サラバンド
ガヴォット
メヌエット
エアー
ジーグ

J.C.バッハ (1735−1782)
ソナタ ハ短調 作品5の6
   グラーヴエ
   アレグロ・モデラート
   アレグレット

J.P.ラモー (1683−1764)
 小鳥の呼び合い
 タンプーラン
 村の娩
 ソローニュ地方のおどけ者
 ミューズ女神の会話
 一眼巨人
 和声転向
 めんどり
 三本の手
 ガヴォットと変奏曲
             
曲目解説
J.K.Fischer(1670−1746)
 フイツシヤーはフランスの鍵盤音楽の様式をドイツに紹介した重要な作曲家である.このパッサカリアは9つの組曲のうちの1つであり,それぞれミューズ女神の名が付けられている.8小節の主題は4小節のフレーズの繰り返しで続く22の変奏曲の中では華やかな技巧が典示される。バッハの有名な無伴奏ヴァイオリンのためのシヤコンヌによく似ている。実際バッハはこのパッサカリアにあやかつて例のシヤコンヌを作曲したと言われる.

J.S.Bach(1685−1758)
 バッハはケーテン時代に鍵雀楽のための曲を多く書き上げたが,その中のフランス組曲,イギリス組曲(6曲ずつの組曲)という題名はバッハではなく,誰か他の人が付けたもので,国柄の特赦とはあまり関係ないようである.イギリス組曲か重々しく規樺が大きいのに対して、フランス組曲は短くて優雅であり,明るい気分に溢れている.バッハ研究家のSpittaはrフランス組曲4,5,6番は,さわやかな気分と幸福に満ち足りていてあたかも春の太陽の輝きとすみれの花の咲き乱れる風景」と説明している.バッハはこうした舞曲の中にも.高雅な音睾性とすぐれた鍵盤音楽の技術を折り込んでいる.

J.C.Bach(1735−1782)
 ヨハン・クリスチャン・バッハはヨハン・セバスチャン・バッハの末の息子で,ロンドンで活躍清超した・彼の興味はオペラにあったが,チェンバロやピアノフォルテのためにも作曲し・典雅なロココ様式を反映した作品を残している。モーツァルトは演奏旅行のため父とロンドンに来たとき彼と出会い,その後長い交際が続いた・彼はJ・C・Bachの作品・5の2,3,4のソナタをチェンバロ協奏曲に編曲したりしている。この作品5の6はソナタとは言うものの第1楽章は暗い前奏曲、第2楽章はフーガ,そして第3楽章はガヴォットの舞曲で,明るい性格の多い作品の中で,珍しく暗い性格を示したものとなっている.

J.P.Rameau(1683−1764)
 ラモーはクープランと並ぶ18世紀フランスの代表的チェンバロ作曲家で,近代和声法を確立した重要な音楽理論家である。彼のチェンバロ曲には劇的で事やかな技巧を示す曲が多い.組曲の形式をとったものの,タンプランとかリゴードンのようなあまり一般的でない舞曲をとり上げたり,変奏曲や描写音睾も多く各曲独立したものを寄せ集めたような形をとっているり「3本の手」,「ガヴォットと変奏曲」では左右の手の交差が多く,「ソローニュ地方のおどけ者」や「一眼巨人」では左右の親指を軸として水車のように回転する新しい技術を披露している。また「めんどり」や「小鳥の呼び合い」は絵画的で,「村の娘」や「ミュ−ズ女神の会話」は,静かな雰囲気で美しい旋律を紹介している.

P.S.
アメリカのKlavier Records社が橋本氏によるラモーのクラブサン曲葵を発行するので,来年,日本でも発売される予定である.

戻る